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「未然に防ごう お金のもめ事(介護編)」

親の介護をしていると、思わぬトラブルが……

「自分は親の介護をし、ほかの親族より貢献しているので遺産を多くもらえるだろう。」

このような勝手な思い込みが家族間でお金のトラブルを生んでいる。

たしかに相続人が合意すれば、介護をした相続人に寄与分(被相続人に貢献したという証拠)が認められて、遺産を多めに受け取ることはできるが、合意できなければ大変だ。

実際、介護は通常の扶養義務(要は、「親の世話くらいして当たり前でしょう」とみなされること)と扱われて寄与分が認められないケースがある。

たとえば、週に一回買い物に付き合ったとか、たまにご飯を作ってあげたというのでは寄与分はまず認められない。 親の介護のために仕事を長期休業または退職したとか、親を支えるためにわざわざ引っ越したなど、相当の事由が必要だ。

そこで、「私は介護した」「いや、それは認めるとしても、財産の取り分が多くなるほどではないだろう」という、ある種不毛な言い争いが親族の間で繰り広げられることになる。いわゆる「争族」の始まりだ。

寄与分を認めてもらうには?

このように相続でもめないためにも、親が元気なうちに家族で話しあうことが大事だ。

内容を文書に残せばさらに安心である。

親に頼み、遺言書を書いてもらう方法もある(遺言書執筆の頼み方はこちら)。

遺言書には一般的に2種類ある。

自筆証書遺書とはその名の通り自分だけで作成する遺言書のことで、人に内容を知らせず手軽にかけるが、書式に不備があると無効になる。

他方、公正証書遺書は公証人がつくるため、手数料が必要だが書式不備はあり得ない。

お勧めは後者だ。 また遺言書で相続人以外の人に相続したい場合は、遺贈(遺言書で、特定の人物に財産を譲るよう指示すること)や生前贈与(亡くなる前に財産を譲ること)を使えばよい。

さて、相続人が介護している親族が、重度の認知症などで判断能力のない状態になったときはどうするか。

この場合は成年後見制度を利用すれば、後見人が本人に代わって金銭的な契約の代理などを行える。

成年後見人になる人は、多くは弁護士など法曹界の人間だ。 信頼のおける弁護士に相談するとよいだろう。

また、相続人が当事者の後見人になっている場合は、遺産分割協議の際に家裁に特別代理人の選定を申請する必要がある(申し立てに必要な書類はこちら)。

最後に、在宅介護を行っている方は、介護日誌をつけるとよい。 介護した時間や内容を記入し、買った物のレシートをつけるなどで、客観的な証拠を残そう。 そうすれば、親のお金を勝手に使ったと疑われないようにできるし、どの程度の介護を行ったか、寄与分を主張する時に示すことができるのだ。