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「これだけは守ってほしい、遺産分割協議の作法②」

ルール2.プラス・マイナスに関わらず、主張・申告すべきことがある時はあらかじめ自分から申し立てておく

前回は、遺産分割でもめないためのアドヴァイスとして法定相続分にこだわりすぎないことを挙げたが、これに関連してお勧めしたいのがこのルールだ。

特に親から開業資金を受けていたり、持参金を貰うなどして多額の資金援助を受けていた場合(特別受益という)や介護などをしていて親に対する貢献が大きかった場合(寄与分)などは法定相続分通りに分割されるとは限らない。

トラブルが頻発するのは、本人や他の遺族が、後からこうした特殊ケースを主張してくる時だ。

「お兄さんは財産の四分の一を受け取りたいと言っているけれど、大学卒業後に事業を立ち上げるとき、親父から2,000万円貰ったそうじゃないか。その分は少なく取るのが筋ではないか」

「みんなは財産を公平に、同額で分けるべきだというけれど、私がお父さんを介護してきたことは認めてほしいわ。 私の努力を斟酌して、取り分を調整することこそフェアな分け方なのではないかしら」等々。

こうなると、せっかく話し合いがまとまってきていたとしても再びこじれ、平行線をたどってしまう。

後から色々と新たな問題が噴出して議論が無限ループしては、結論が出ようはずもない。 こうした事態を避けるためにも、遺産分割に関して申し出るべきことがある時はあらかじめ他の相続人に伝えておき、それを考慮した上で話し合いに入ってはいかがだろうか。

3.遺産相続の参加者を決めておく

協議において主役となるのは法定相続人だが、直接遺産を受け取ることのできない人間が割って入り、もめることがある。 特に多いのが、相続人の配偶者が口をはさむケースだ。

たとえば、きょうだいで親の財産を相続する場合、彼らが存命であれば配偶者に法定相続分はない。 そのはずなのだが、この原則は認知されていないか、少なくとも守られていないことはよくある。

事実、次男の嫁が「財産は兄弟で均分しよう」と言うと、長男の嫁が「長男が多くもらうのは当然。せめて実家は譲ってもらわないと」などと応酬し、嫁同士の熾烈なバトルの幕開きとなることは、これまでに幾度となく繰り返されてきた。

だが、本来遺産分割に参加する資格があるのはあくまで当事者、つまり遺産を受け取ることのできる人間だけであり、その意味ではたとえ子の配偶者であっても部外者のはずだ。

いたずらに彼(女)らに協議への参加を許し、遺族間の争いを招くのは賢明とは言えない。

その意見を反映させるのはともかく、実際の話し合いに関わるのは相続人のみに限った方が手続はスムーズに進行するだろう。

 

参考資料:長谷川裕雅『モメない相続』朝日新書、2012年。