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2015.02.14
 

「おきて破りのプレゼント?教育資金贈与」

熨斗袋

 

各地の信託銀行で、教育資金贈与の特例を利用した商品が流行している。これは親や祖父母が信託銀行などに専用の口座を作り、30歳未満の子や孫に教育資金として振り込めば1,500万円まで非課税となるという制度。

具体的には、学費や学習塾、その他習い事の月謝などの支払いを、贈与を受ける側(受贈者)がまず行う。その領収書を専用口座のある金融機関に示してその金額を引き出せばOKだ。

なお、振り込んだ金額を非課税で使うには、その分はすべて教育資金としなくてはならない。

それ以外の目的で使ったり、口座に残額が残ってしまった場合は受贈者が30歳になったときに贈与税を支払う必要がでてくるのだ。

 

この制度は2013年に始まり、2014年6月末現在の契約件数は7万6851件、契約額は約5193億円(信託協会調べ)であり、件数・金額ともに増加傾向にある。

特に私立大学や予備校などで高額な教育費が必要な孫と、彼(女)を支えたいおじいちゃん・おばあちゃんには便利なことこの上ない制度だが、注意点が三つある。

 

第一に、子や孫一人につき1,500万円まで贈与できるのだが、祖父母が孫に贈与する場合は父方か母方のどちらか一方の孫一人にしか贈与できない。

また、信託銀行に、子や孫向けに振り込めば自動的にこの制度を活用できると思っている方もいるようだが、大間違いだ。

教育資金非課税申告書を作成し(こちらからダウンロードしてください)金融機関の営業所経由で受贈者の納税地(口座を作った人の、ではないので注意)の税務署に提出しなくてはならない。

また、たとえば当初1,000万円贈与したが、必要があって500万円追加で振り込みたい時は追加の手続が別途必要だ(これは用紙を記入し、金融機関に提出すれば事足りる)。

最後に、本制度は期限付きであり、2015年12月末までに上記の手続きを済ませなくてはならない。

だが、あせって手続きをする前に一歩立ち止まって考えよう。

まず、そもそも親や祖父母が出す教育費は贈与とみなされず、必要な出費や生活費とみなされることが多い。

そのため、私立大学医学部の入学金として数百万円単位の金をポンと渡した、というのでもない限りこの制度を活用しなくても、贈与税を納めるよう求められることは少ない。

つまり、わざわざ信託銀行に専用の口座を作る必要があるとは限らない。

それに、使い道が教育資金に限定されてしまうのもネックだ。

本来一人につき年間110万円(贈与税の基礎控除額)以内の贈与なら贈与税はかからず、この範囲内であれば何人にでも、どのような使い道にでも非課税で財産を分けられる。

しかし、教育資金贈与の特例を使うと、教育以外の使途に用いたお金には基礎控除が適用されないため、一律課税される。

 

今回紹介した特例も万能ではなく、一長一短がある。

それを踏まえたうえで、子供の顔を見ながら、この制度を本当に活用すべきか考えてみられてはいかがだろうか。

参考記事:http://news.mynavi.jp/news/2015/02/03/218/