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「遺言書を書いた方がいいのはこんな時①」

犬と猫

 

これまで遺言書の書き方、種類などを説明してきたが、全ての家庭に遺言書が必要という訳ではない。

今回は、遺言書がなぜ必要なのか、そして書いた方がよいのはどういう場合かを二回に分けて解説しよう。

 

まず、遺言書が無いとどうなるか。

遺言書に関する今までの記事を読まれた方は、こう疑問に思われることがあるかもしれない。

 

「相続はもめ事を防ぐ手段だというけれど、うちは家族仲がうまくいっているし、もめることはない。」

「自分はあまり相続に関心が無い。たとえ相続することになっても、家族が分けて余った分だけもらえれば結構だ。」

「親は元気なので、相続のことなどまだ考えなくてもよいし、そもそも遺言書を書いてくれとは言いだしづらい。」

 

こうした言い分には一理ある。

だが、遺産分割調停事件(遺産分割でもめた挙句、家庭裁判所にとりなしを頼むこと)の件数は増加傾向にあり、しかも相談者の大半は財産が5,000万円以下、つまり相続税の対象となるかならないかの、資産家でもない一般家庭だ。

また、たとえ今は遺族間の人間関係に問題はなくても、分けるのが困難な遺産があったり、一部の家族が故人と多額のお金の授受をしていたりといた場合、その処遇を巡ってトラブルが発生するというのもよくある話だ。たとえば…

 

「遺産は兄弟仲良く同額で分けようというけれど、我が家の財産は親の持ち家だけ。家なんて、どうやって同額で分けろというのだ。」

「私はお父さんが生きていた時、身の回りの世話をするために毎週遠くの実家まで通ったわ。財産を分けるときも、頑張った分は認めてくれたっていいのではないの。」

 

あなたのご家庭に、心当たりはないだろうか。

「財産額が少なくて、家族関係の円満な我が家には相続トラブルなど無関係」などと白を切ることはできない。

 

それに、たとえ遺産をどう分けるかについては遺族間で完全に合意がとれているとしても肝心の財産の内訳や総額を把握していなければ話し合いは進まない。

故人は株をやっていたが、保有株はどのくらいあるのか、預金はいくらあるのか、いやもしかしたら借金を抱えているかも……と調査しているうちに時は過ぎ去り、またたく間に三カ月がたってしまう。

これは遺産をどう受け継ぐかを決める期限であり、借金が多額なら相続放棄、プラスの財産ばかりなら単純承認といった選択肢のうちから一つを選ばなくてはならない、相続における一つのタイムリミットだ。

 

しかし、正式な遺言書さえあればここにあげた問題は快刀乱麻のごとく解決する。

というのも、遺産の分け方を故人が指定しておけば、遺族がその内容に不服でない限り原則としてそのまま遺産分割が行われ、話し合いと、それに相伴しうるトラブルを回避できるからだ。

 

また、普通遺言書には財産の内訳を記述するため、どこに、どういう財産があるのかと遺族が探し回る必要もなくなる。

このように、遺言書は作成者の死後の悶着や不都合を防ぐ上で、大変有効なツールとなり得るのだ。