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2015.03.11
 

「大塚家具の騒動――株式譲渡が争点、だけど…(前篇)」

肩車

大塚家具の後継者・経営方針を巡る親子バトルが注目を集めている。
今回の争いを招いたのは、会長である勝久氏の株式譲渡の仕方だというが、果たしてそれだけに尽きるのだろうか。
まずは問題となっている譲渡の内容を確認し、それから事業継承の望ましいあり方について一考しよう。

2007年にインサイダー取引容疑で同社が課徴金を課されたことを受けて当時社長であった勝久氏は社長の地位を後継に譲ることを真剣に考えるようになる。
長男の勝之氏が疎遠であったことから長女の久美子氏に白羽の矢が立ったのだが、継承に当たって彼女はいくつかの条件を付けた。
その一つが事業継承だ。
先の事件の前、勝久氏は自社株の約二割を保有していたが、同氏が亡くなったときこの株は遺族(妻と五人の子供)が相続し、結果大塚家具の株は四散してしまうことになる。
そうなれば、大塚家が経営権を喪失してしまうことは避けられない。
そこで、久美子氏は持ち株を子供に移しておいてはどうかと提案したのだ。
父は合意し、自分が持っていた資産管理会社の株式を子供に二割弱ずつ、妻に約一割を配分した。
次に会長は資産管理会社に自社株の一部を買い取らせたのだが、その際買い手が資金不足により社債を発行し、勝久氏が引き受けた。
自社株を売り、その代金を自分で引き受けた格好だ。
さて、彼はこの社債の償還を娘に求めたが、後者の言い分では、株式の買い取りはそもそも事業承継を目的としたスキームであって、償却期間が来たら再契約することが前提だったとのことで、償却を拒んだ。
そこで勝久氏は久美子氏を訴え、持ち株譲渡を打ち切ったのだ。
事業継承の際、自社株をどう処理するかが大きなポイントとなるのは言うまでもない。
自社株は単なる財産ではなく、シェアの大きい人物は経営権を握ることになり、まさしく会社に関して生殺与奪の権を掌握することができる。

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