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2015.03.17
 

「奥さん旦那はたくさんもらってしかるべき?――相続制度改定案の内幕」

ひよこクラブ

家庭によって家族仲の良しあしやコミュニケーションの密度などはもちろん異なるが、多くの場合、個人にとって最も身近な存在は、やはり配偶者だろう。
平成22年度の内閣府の統計にも表れているように、日本では「最も身近な存在は誰か」という質問に対し、六割以上の方が配偶者と答えており、日常生活、仕事両面で夫や妻の力となり、励ましてくれる最大の貢献者は配偶者だということをうかがわせる。
このように、物心両面から故人を支えてきたパートナーには、相続時にもより多くの財産が与えられてしかるべきではないか――そういった方針から、上川法相は今回の変更案を打ち出した。

具体的な変更案は、以下の通り。
第一に、夫婦が協力して作った財産については、法定相続分(民法で決められた、各相続人の取り分。詳しくはこちら)を越えて、配偶者の取り分を増やしてはどうかというもの。
これが適用されれば、相続財産は実質的な夫婦共有財産とそうでないものに分けられ、前者については配偶者により多くの取り分が確保される。
現行制度下ではこうした財産の種別はないが、そうすると婚姻期間の長短など家庭状況によって財産形成の貢献度にはばらつきがある以上、どの夫婦も一律同じ取り分としてはその偏差をくみ取れないのではないかという批判からこの提案がなされた。

今一つの大きな建議は居住権、つまり残された配偶者には自宅に住み続けられるという権利だ。
居住権を賃料としてお金に換算し、その分を預金など別の遺産から差し引いて他の相続人に配分すれば配偶者は移転しなくてよい、という考えである。
遺産分割によって持ち家を離れることになれば、特に高齢の配偶者にとっては次の居住先を探すのが困難になるのではないか、との配慮からこの提案はなされた。
その他、介護などの特別の貢献があった場合に相続分を増やすなどの案も俎上に載せられる予定だ。