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「奥さん旦那さん、相続税はあまり心配しないで。特別控除があるから(前篇)」

相続税は気になるものの……

今年一月より相続税が改正され、基礎控除額が引き下げになったことは記憶に新しい。

また、最前の記事でも述べたように上川陽子法相は、配偶者には相続財産の取り分を多くすべきとの提案を示した。

 

こうした一連の変更(案)を受けて、にわかに相続税に関心をもたれた方もいるだろう。

つまり、「財産を多くもらったら、税金を払うことになるかもしれない。我が家は資産家ではないし、土地をたくさん持っているというわけでもない。でも、都内に一軒家をもっている人の多くは相続税の対象となるというし……」と、改正と変更の合わせ技で、相続税がかかることになるのではないか、と心配される方がいるかもしれない。

 

だが、それは杞憂かもしれない。

たしかに基礎控除額の六割減は大きいが、それでも課税対象となるのは国民の6%程度という試算がある。

所詮、これは一部の資産家だけの問題なのだ。

だが、評価額の大きな持ち家や死亡退職金といったまとまった財産があるご家庭は珍しくない。

 

それなのに、大多数は課税を免れているのはなぜかと言えば、これから説明する特別控除に負うところが大きい。

生命保険金、死亡退職金等の控除については既に説明したので、ここでは配偶者に密接にかかわるもののみ紹介しよう。

配偶者の特別控除

図10

 

まず注目すべきは、配偶者が相続した場合、取り分が法定相続分または1億6,000万円以内であれば、相続税は一切納める必要が無いという制度だ。

これを図にすると、上のようになる。

たとえば、控除後の財産が1億円あって、妻と子供二人で相続するとしよう。

この場合、法的相続分通りなら妻は半分の5,000万円を貰うことができ、本来なら800万円の税金を納めるのだが、それがゼロ円になるのだ(ちなみに、子供たちは2,500万円ずつ受け取るとして、それぞれ325万円ずつ払うことになる)。

 

一般に配偶者はもっとも取り分が多く、他の相続人はそもそも相続税の対象とならない額の財産を受け取ることが多い。

大多数の家庭で相続税がかからないのは、こうした事情があるのだ。

 

なお、この特例を使うには、夫婦が婚姻関係にあることが必要なのはもちろんだが、税務署に財産額を申告することも条件となる。

相続税の申告書(相続開始から十カ月以内に提出)に、戸籍謄本と(あれば)遺言書の写しや遺産分割協議書(遺産をどう分けたを記載し、伝えるための書類。書き方はこちら)の写しなど、配偶者の取得した財産が分かる書類を添えて提出しよう。 また、遺産分割協議書の写しには印鑑証明書も添付する必要があるため忘れることの無きよう。

 

※平成26年度まで、基礎控除額は

5,000万円+1000万円×法定相続人の数

で算出されたが、今年から

3,000万円+600万円×法定相続人の数

となる。

これにより、たとえば夫の財産を妻と二人の子供で引き継ぐ場合3,000万円+600万円×3=4,800万円以上財産があると、原則課税となる。

法定相続人誰のことを言うのか、法定相続分とはどのくらいの金額なのかと気になった方はこちらをご覧あれ。