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2015.03.23
 

「大塚家具とは縁の切れ目?大株主の株式売却(前篇)」

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大塚家具の株式を多数保有する投資顧問会社ブランデス社は、今月2,3両日同社の株式を多額で売却し、利益をあげた。
大塚家具では経営権を巡り、勝久会長と久美子社長の間で内紛が起こっており、今月末の株主総会で、軍敗がどちらに上がるのかに注目が集まっている。
両陣営の保有株式数は、勝久会長側が20.08%、久美子側が米ファンド(10.13%)、資産管理会社のききょう企(9.75%)など合わせて19.99%(自社株のほか、米ファンドや資産管理会社の株を含む)であり、どちらが有利ということは定めがたい。
そこで、一般株主の株式をどちらが多く獲得できるかが争点となりそうだ。

そもそも、今回の騒動は、2007年のインサイダー取引を機に、勝久会長が事業承継を真剣に考えるようになったのがきっかけだ。
長女の久美子氏は一橋大学を卒業後、キャリアウーマンとしてめきめきと頭角を現していたことから白羽の矢が立ったのだが、継承に当たって彼女はいくつかの条件を付けた。
その一つが事業継承だ。
先の事件の前、勝久氏は自社株の約二割を保有していたが、同氏が亡くなったときこの株は遺族(妻と五人の子供)が相続し、結果大塚家具の株は散り散りになってしまうことになる。
そうなれば、大塚家が経営権を喪失してしまうことは避けられない。
そこで、久美子氏は持ち株を子供に移しておいてはどうかと提案したのだ。
父は合意し、自分が持っていた資産管理会社の株式を子供に二割弱ずつ、妻に約一割を配分した。
次に会長は資産管理会社に自社株の一部を買い取らせたのだが、その際買い手が資金不足により社債を発行し、勝久氏が引き受けた。
自社株を売り、その代金を自分で引き受けた格好だ。
さて、彼はこの社債の償還を娘に求めたが、後者の言い分では、株式の買い取りはそもそも事業承継を目的としたスキームであって、償却期間が来たら再契約することが前提だったとのことで、償却を拒んだ。
そこで勝久氏は久美子氏を訴え、持ち株譲渡を打ち切ったのだ。
そこから、親子争いが本格化することになった。

一連の騒動に絡み、多くの投資家は両陣営の株式を買い集めた。二人が委任状争奪戦に伴って株式を回収することで、大塚家具の株価が上昇すると読んだのだ。その結果、1,100円前後であった大塚家具の株価が2488円にまで跳ね上がった。

そこへ乗じたのがブランデス社だ。
同社は久美子氏側の株を多数保有していたのだが、今月2日と3日の高値圏で大塚家具の持株の半分以上を売却したことが明らかになっており、売却益は10億円を超えるという。

漁夫の利を得たブランデス社だが、これを単に目先の利益に走った利得行為と決めつけるのは早計である。
むしろ、社会の公器たる企業の役目を忘れ、従業員も巻き込んだ親子の泥仕合にのめりこんだ勝久・久美子両氏への三行半とも見られる。
現に、今回の親子バトルについては社の内外を問わず批判が噴出しており、社内幹部さえも一方の存続と他方の退場を願うなど、企業としての統一体をなしていない。
こうした状況下、ブランデス社はかつて一世を風靡した大手家具メーカーに、最後通牒を突きつけたのではないか。

久美子社長はこの度の株式売却について、「今月10日には大株主の米国のブランデス・インベストメント・パートナーズが株式を売却しましたが、会社提案を支持すると発表しました」と述べ、器具とともに安堵感をにじませる。
だが、今後の動向次第ではいつブランデス社が見切りをつけ、本格的に大塚家具から手を引くかは分からない。
参考記事http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150314-00010000-bjournal-bus_all