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2015.03.24
 

「大塚家具とは縁の切れ目?大株主の株式売却(後篇)」

インテリア

(前篇のあらすじ……大手家具メーカー大塚家具は経営権を巡る親子争いで紛糾しており、第株主のブランデス社が同社の株式を大量売却した。今後の動き次第では、より思い切った動きに出ることも考えられる)
そうした事態を避けるためにも、同社は一刻も早く親子バトルに終止符を打ち、者の体質改善やビジネスモデルの刷新に励む必要があろう。
以前も述べたように、今回の対立が起きた背景には、社長・会長の経営観の相違もさることながら、親子のコミュニケーションが満足になされていなかったこともある。

久美子社長は「いま事業戦略上で考えていることは、この(引用者注:勝久氏が作った)大塚家具の最も基本的な大切な価値であるこのモデルの継続と言うこと、これを先々まで残すと言うこと。そのために消費者へのアプローチを考えていく」

「いいものをつくって消費者に届けていく、いいものを安く売ることができる流通の仕組みをつくったことが価値あることで、これをどうしたら継続できるか。そのために消費者へのアプローチを考えている。決してその価値を否定するものではなく、わたしにとっても誇りであることをご理解いただきたい」
と、記者会見の度に自らのビジネスモデルを明確に打ち出しているが、それを勝久氏本人に伝え、しかも納得してもらっているとは言い難い。

後継者の選定には、こうすればよいという定石はなく、企業の状況や後継者と先任者の意思、今後の動向など複数の要素を勘案し、総合的に判断するしかない。
だが、企業の存続を願うのであれば、現経営者と後継者は見解を明示し、互いに納得し合うことはもちろん、従業員の意見も聞きつつ理解を得ることが不可欠だ。
組織の命運にかかわる人間が、完全な同意は難しくても意見を衝突させつつ研磨させ、すり合わせながらある程度の一致をみなければその組織は立ち行かなくなる。
したがって、事業承継を考える際には、会社の資産をどう処理するかを問うほかに、そもそも当事者はどう考えているのかを伝えあうという作業も決しておろそかにしてはならない。

これまで繰り返し述べてきたように、通常の相続がもめる最大の原因のひとつは、財産が分けにくいことや財産額が少ないことのほかに、遺族間のコミュニケーションが不十分なことがある。
事業継承についてもそれが言える。
相続する側とされる側、そして事業を継承する側もされる側も人間である以上、意見の対立は避けられない。
それを解消するために歩み寄りをしなくては、円満な相続は望みえない。