1. ホーム
  2. お役立ち情報
  3. 「都内に一軒家をお持ちの方へ――相続税、心配していませんか?(後篇)」

「都内に一軒家をお持ちの方へ――相続税、心配していませんか?(後篇)」

猫カフェ

さて、前回紹介したやり方で財産額をおおよそ把握したとして、次に調べるべきはその財産が、相続税の対象となるかどうかということだ。
これは当サイトで簡単に調べることができる。
相続シミュレーションに判明した財産額を打ち込めば相続税がかかるかどうかは瞬時に分かる。
もし「課税ありの可能性が高い」との診断結果が出れば、専門家相談にその旨を伝えれば、節税のためのアドヴァイスなどが得られるだろう。

だが、あなたの相続財産に相続税がかかる可能性は低い。国税庁によると、2013年に全国で亡くなった127万人のうち、課税対象となったのは約54,000人で、全体の4.3%に過ぎない。
税制改正によってこの数字が上がるとはいえ、対象となるのはせいぜい6%程度といわれる。また、地価が高い東京では持ち家の評価額が高いため、課税対象は他の都道府県よりも多いといわれるが、それさえも多くのご家庭にとっては無用な心配となりそうだ。
というのも、相続税の計算は単に財産から基礎控除額を引いて零を超えたら一定の税率をかける、といった仕方でなされるのではなく、相続人の状況によって、数々の例外(特権など)が認められる。

具体的に、どのような特例があるのか。
特例①小規模宅地等の評価…生前から土地を住居や事業所として使っていて、しかも家族(配偶者または被相続人の生前同居していた子など)がその住居や事業所を使用し続ける場合に限って使える特例。
相続する土地が被相続人の住居であった場合、そこは特定居住用宅地とされ、330㎡すなわち100坪までは税額が80%少なくなる。
また、同じ土地を被相続人の事業所として使っていた場合、特定事業用宅地とみなされ、400平方メートルまでは税額がやはり80%減となる。
たとえば、面積が400㎡で、評価額8,000万円の住居があったとする。この時1平方メートルあたりの価値は20万円であるが、課税の際は330㎡までは80%減の値段(4万円/㎡)で評価されるため、実質的な課税額は、次のように計算する。
4×330+(400-330)×20=2,720万円
つまり、法定相続人がいれば、他に2,000万円財産があっても課税対象とはならないのだ。

②生命保険・死亡退職金の控除…(受け取る法定相続人の数)×500万円は非課税。
控除の対象となるのはあくまで「法定」相続人であって、たとえば受取人が先妻の子で、配偶者とその子が存命である場合、法定相続人は後者二人であるため控除の対象外となる(とはいえ、多くのご家庭では生命保険金等は家族が受取人となっていると思うので、あまり気に病む必要はない)。

③配偶者の税額控除…配偶者が相続する場合、1億6千万円または法定相続分は非課税。
つまり、法定相続分の範囲であれば、どんなに多く受け取っても配偶者は税金を払う必要はない。

④未成年者・障害者の税額控除
法定相続人が未成年の場合…(20-相続開始時の年齢)×6万円は非課税。
そのため、7歳5カ月(≒8歳)の子供が相続するなら、(20-12)×6=48万円は非課税
法定相続人が障害者の場合…(70-相続開始時の年齢)×6万円(特別障害者は12万円)が非課税。

⑤葬式費用の控除…葬儀料・戒名料・お布施代・火葬(埋葬)料・通夜代などは税金がかからない(ただし、墓地の購入費や香典返しの費用は控除が認められない)。
この他にも、相次相続の控除(10年以内に続けて相続する際の控除)、海外の財産を相続したときの外国税額の控除など、利用頻度は少ないながら控除の特例はいくつもある。
もちろん、被相続人の負債が非課税なのは、ご承知の通りだ。
こうした特例を用いれば、たとえシミュレーションで「課税あり」と診断された方でも結果的に相続税はまぬかれることが多い。
特に、不動産は額が大きいため、小規模宅地等の評価特例は強力な味方だろう。

なお、ここにあげた特例を使うには、いずれも税務署で申請する必要がある。そのため、特例なしでは課税ありと診断された方はひとまず税務署へ出向き、特例を使いたい旨を申し出れば認めてもらえるだろう。
こうして、あなたは相続税をびた一文払う必要はなくなるのだ。
参考記事:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11669980.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11669980