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2015.04.13
 

「相続税増税――なんのために?(前篇)」

カルボナーラ

今年一月より相続税の基礎控除額引き下げを含めた税制改正が実施され、話題を呼んでいる。
ところが、海を越えた英国では、逆に減税が行われる見込みなのをご存じだろうか。
英財務相は近く相続税の課税最低限を100万ポンド(148万ドル)に引き上げる方針なのだ。
課税最低限の引き上げにより、中間層の約2万世帯の税負担が減少し、税収は約10億ポンド減じるという。

相続税が減れば親世代から子への財産がより多く受け継がれることになり、相続人が得をするのはもちろん、被相続人にとってもメリットは大きくない。
日本では相続税法上、相続税は現金にて一括納付することが定めてあり、現金などの相続財産が多いご家庭ならともかく不動産などお金に換算しづらい財産によって相続税がかかることになった場合、税を納めるためだけにせっかくの財産を手放すことになりかねない。
また、故人が商店や飲食店などの事業を営んでいて、自社株など社の財産が多額にあるとすれば、場合によってはそれを売却して相続税を納めることになる。
しかし、特に自社株が人手に渡れば相続人の議決権は半減されるのは不可避であり、最悪の場合は社が人手に渡ることにもなりかねない。
反面、相続税がかからないとなれば財産は保持しておけることになり、結果被相続人が苦心の末積み上げてきた遺産は、残された者に無事継承されることになる。

このように、減税のメリットは容易に挙げることができるのだが、為政者でない我々にとって、増税は何かプラスになるのかと問われると、府と思い悩んでしまう。
だが、政府も無為無策で、単に懐を温めたいからというだけで増税に踏み切るのではないだろう。
たとえ税収を上げるために増税するとしても、そこには何か目的があるはずだ。では、具体的にどのような目的があるのか。

第一に、所得税の補完とすることがある。現行制度下では所得税の最大課税率は40%となっており、特に富裕層から徴収できる額が低めにとどまっている。
かといって、生存者には生活のためにある程度のお金は残しておかなくてはならず、所得税をいたずらに引き上げては生き馬の目を抜くことになる。
そこで、死後、もはや財産が必要なくなったところへ、より多く課税することで税収の不足を補おうというのだ。
参考記事:http://www.asahi.com/business/reuters/CRBKBN0MD0WM.html