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2015.04.14
 

「相続税増税――なんのために?(後篇)」

福沢さん

相続税引き上げには、介護費用や医療費など、社会保険料の負担を清算してもらおうという狙いもある。
高齢化に伴い社会保険料は年々増大しつつあり、財政を圧迫している。
もちろん、政府はこの状況下、指をくわえているわけではなくすでに様々な対策を打ち出している。
中でも目につくのが年金の保険料の値上げであり、厚生労働省は、厚生年金は毎年0.354%、
国民年金は毎年280円ずつ引上げてきている。
それでも、生産年齢人口が減少の一途をたどっている今日、働き手から徴収するにも限りがあるし、あまり負担を増やしすぎて、首を絞めることになっては国の生産性が弱まり、結局政府自体が身動きを取れなくなる。
そこで、次善の策として、これまで介護保険などのサービスを享受してきたであろう高齢者の負担を増やそう、そのためには、彼らの死後に残る財産に課税するのが簡便な方法だと判断し、今回増税に乗り出したのである。

もちろん、介護保険や医療のサービスの質を担保し、より多くなるであろう高齢者に対し、今後もサービスを提供し続けるには一定の財源はやはりなくてはならず、それをサービスの受け手自身に負担させるのは理にかなっているように思われる。
また、現役世代に配慮し、所得税引き上げの代替措置として相続税引き上げを検討するのも理解できなくはない。
だが、相続財産は単なるお金ではなく不動産であったり社の財産であったりと、様々な形をとって現われうるし、それを失うことになれば、相続人は相続によって遺産を得るどころか、逆に損失を計上することにもなりかねない。

そのため、ただ相続税を引き上げて万事解決を期すのではなく、同じ増額という措置をとるにせよ、納付の条件を緩和するとか、基礎控除額を据え置きにして最高税率をより高く設定するといった、遺産の比較的少ない人により配慮した政策を打ち出すべきではないか。

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