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2015.05.04
 

「放っておくと後が怖い、相続登記②」

田舎の一軒屋

 

(前回のあらすじ……父親の家を相続することになったK氏だが、実はその家が建つ土地は、もともと赤の他人とK氏の祖父の共有名義だった。相手方の連絡先はわからず向こうからの連絡もないため、自分たちの所有物としてもよいのではないかとK氏は踏んだのだが……)

母はすでになく、実家に住み続けたいという相続人もいなかったため、K氏は父の家を売ることにした。

しかし、不動産会社からストップがかかってしまったのだ。

いわく、「この土地はK氏の所有物でない以上、彼が勝手に処分することはできない。まさか天国にお伺いをたてるわけにもいかないからK氏の祖父に連絡を取れとまでは言わないものの、M氏の家に相続人がいないかの調査は必要となる。もし、M氏に子供がいるなどしたら土地の所有権はその人に移っているはずなので、処分に当たっては、その人の同意をとらなくてはならない」とのこと。

 

問題を放置しておいてもあとが面倒になるだけと判断したK氏は、探偵事務所の力も借りながら、なんとかM氏の息子の住所を突き止め、コンタクトをとることに成功した。

そこで土地の処分に関する交渉に入ろうとしたのだが、相手は全く乗り気でない。

それもそのはず、彼にとって不動産の話は全く寝耳に水であり、そもそも父親が土地を持っていたことなど、知りもしなかった。その土地をどうしようか、とこれまた初対面の人間に持ちかけられては、すぐに相談に応じろというのも無理な話だろう。

いったんは考えさせてほしい、とお引き取り願ったM氏だが、ふとあることに思い当たった。

不動産が実際自分の親の名義であるなら、その売却益は自分にも受け取る権利があるのではないか、と。

そこで話は売却するか否かという話から、分け前をどうするかという話へ発展し、さらに交渉が長引くことになった。

 

 

上記の事例を見ても分かるように、相続登記を放置すると、次のようなデメリットがある。第一に、相続人が故人になったり連絡先が変更されたりして、連絡が取りづらくなるため、その調査が大変になること。

とくに、相続人の戸籍を集める場合はその人の本籍地の役場へ赴かなくてはならない場合もあり、相続人が複数いる場合、その労力は多大なものとなる。

また、相続人といっても遺族だけとは限らず、今回のケースのように、互いに赤の他人ということも往々にしてある。

不動産の相続においてこの問題は頻発しており、相続人は、会ったこともない人と財産管理のことを話し合わなくてはならなくなる。

それでは、話がすんなりまとまることは期待できないだろう。

 

そこで、相続登記はなるべく早めに済ませるべきという発想が出てくる。現所有者が亡くなった直後ならその土地の本来の所有者が存命である可能性はより高く、そうした場合、話はいくらか早い(少なくとも、「自分がそんな土地を持っているなどという話は聞いたこともない」ということにはならないだろう)。

また、連絡先が変更される以前なら、登記事項証明書に書かれた所有者の住所を当たれば本人と連絡が取れるはずだ。

期限がない相続登記とはいえ、放っておいてよいというわけではない。後々のトラブルを避けるためにも、早めに手を打っておこう。