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「これから稼ぐはずが…安易な事業承継の落とし穴(前篇)」

business question

 

株式会社Aの社長I氏は、創業者であった父を亡くし、後を襲ううこととなった。

彼は父親の保有する、会社の発行株式をすべて相続し、代表取締役としての登記も完了させたところ。また、融資を受けている各金融機関とも、保証人の切り替え等に関する手続きをすでに済ませてあるなど、相続対策には万全の構えを見せる。

 

A社は一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していたものの、先代社長の式が近付くにつれて業績は低迷し、直近の売り上げはマイナスを計上することになってしまった。このような停滞期を脱却し、上向きの軌道に乗せるという重責をI氏は担い、時期経営者としての手腕を問われることになtった。取引先や金融機関からの借り入れも多く、まずはその返済を通じた信頼関係の構築を目指そうとしていた矢先のことである。

社内でインサイダー取引が発覚してしまい、地方紙に取り上げらてしまったのだ。社員一同東西奔走した結果、何とか最悪の事態はまぬかれたものの、ただでさえ低迷していた社の信用は急落し、取引継続を見合わせる得意先の発生、従業員の士気低下など、深刻な問題が噴出するに至った。はたして、今回の事業承継では、何が問題だったのだろうか。

 

特に中小企業の場合、その運営は経営者の方一つにかかっていることが少なくなく、この経営の承継に失敗すると、社運が傾く危険と隣り合わせである。

事業承継に失敗する原因として、そもそも後継者が身内などごく限られていてしかもその人物が力慮言う不足だったということも考えられるが、それに劣らず多いのが、「準備不足」「経営者が変わることを十分意識していないなど、意識が十分でなかった」など、事業承継対策が不十分なことだ。

 

事業を継ぐにあたっては、憧憬者は経営者になることの重大性を認識し、取引先との信頼関係の構築や借入金の返済など、自分の力量や決断が、社の趨勢を占うことになるという事実を重く受け止めなくてはならない。その意味で、「会社は自分一人で回っているわけではないのだから、経験豊富なスタッフに事業を任せておけるなら、だれが継いでも一緒だろう。それなら自分が継いでもかまわない」というなし崩し的な、安易な気持ちでの相続は避けるべきだ。