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「遺産分割あるある集――よくある遺産分割の疑問⑥」

相談2

 

Q.6母が亡くなりましたが、母は生前事業に失敗し、多額の借金を残しておりました。このような場合、相続人にも夫妻が及ぶのでしょうか。また、これに対処する手立てはあるのでしょうか。

A.6相続人は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(負債。消極財産とも呼ばれる)をも引き受けるのが原則です。しかし、この負債は本来被相続人足る個人が自らの責任において作ったものであり、これを相続人だからという理由だけで遺族が肩代わりするというのは、道義上好ましいこととは考えられません。そこで、民法は相続放棄という選択肢を用意しています(実際には限定承認という道もあるのですが、より多く用いられるのは相続放棄です)。

 

これは文字通り相続人としての資格を放棄することで、これは被相続人の権利義務一切を拒否する意思表示となります。もし相続放棄をしたら、その方は被相続人の負債は一切背負わない代わり、相続財産をもらうこともできなくなります。したがって、プラスの財産のみもらって負債は引き受けたくないという要求は認められません。相続放棄するかしないかは各相続人が個別に決定でき、そのために考える期間を熟慮期間(相続の発生を知ってから三カ月以内)といいます。この「相続の発生を知ってから三カ月」とは、一般には被相続人が亡くなってからの期間を言いますが、たとえば

相続放棄を行う相続人がやむを得ない事情で故人が亡くなったことを知るのが遅れたときや、自分に相続できる財産があるのを知るのが遅かったときなどは、被相続人が亡くなって三カ月以上たっていても認められることがあります。思い当たる事情があるときは、家庭裁判所に相談するとよいでしょう。

 

手続きにあたっては、本人が相続放棄申述書を作成し、被相続人との続柄のわかる戸籍謄本など、相続する権利があることを示す書類を添付して住所地が管轄である家庭裁判所に提出します。必要書類は家族の縁故関係等によって異なるため、事前に家裁に問い合わせることをお勧めします。