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「離婚と相続――とある家族の場合」

離婚した妻と子は、財産を受け取ることが……

次のケーススタディを考えてほしい。

70歳で亡くなったT男は、28歳で前妻のK子と一度離婚し、35歳のとき再婚した妻A美と、再婚後に購入したマンションに同居していた。
A美との間に子供はないが、K子との間には、二人の愛の結晶が二人いる(二人とも存命)。
T男の財産は、時価4,000万円のマンションと、預金が1,000万円。
ローンは団信で無くなったとして、彼の財産はどう分けることになるのか?

離婚していても、前妻との間にできた子供がT男の子供であることに変わりはなく、今回の相続人は、A美と子供二人ということになる(K子は対象外)。
そして相続分は、A実が50%、子供二人はそれぞれ25%ずつだ。
マンションを売却し、得られたお金を預金と合わせて配分すれば話は早いが、A美がマンションに住み続けたいとなると厄介だ。
この場合、彼女は預金を全額二人に譲ったとしても、4,000-2,500=1,500万円余分に財産を受け取っている計算になる。
その代償として、二人に1,500÷2=750万円ずつ渡さなくてはならない。これだけの金額をまとめて準備するのは難しいため、結局持ち家は手放すことになることが多い。

トラブル解消策

こうした困った事態を避けるためにも、離婚など込み入った事情がある家庭では、遺言状を準備しておくことをお勧めする。
本件でも、もしT男が「財産はなるべくA美に譲りたい」と一筆認(したた)めておけば、A美の負担はずいぶん軽くなった(遺留分もあるため、K子の子供二人が納得しない限り5,000万円全部を相続することは難しいが、最高3,750万円分まで受け取ることができる。マンションに住み続けるとしたら、子供たちには預金を全て譲ったうえでポケットマネーから4,000-3,750=250万円渡せばよい計算だ)。

今回のようなもめ事は、配偶者との間に隠し子がいたことが発覚した場合などに、しばしばおこり得る事態であり、「うちの亭主はもてないから大丈夫」と甘く(?)見ていると、手痛い仕打ちを受けることになるかもしれない。そうならないためにも、遺産をどう分けるかについては、夫婦で話し合い、書面で残しておくとよい。

遺言書の作成の仕方や作成の「してもらい方」はこちらに示した。

なお遺留分とは法定相続人が最低限相続できる金額のことで、基本的には法定相続分―民法で定められた、それぞれの法定相続人が貰える財産額―の半分。

上記の場合、子供二人は25÷2=12,5%ずつ受け取る権利があるため、A美は最大で残りの75%を受け取ることができるという訳だ。